【Uber Eats・セミナーサポート|大河】「一人ぼっちを作らない」人をサポートすることで見つけた、自分が生きる場所

Uber Eatsの配達員や、北原孝彦さんが主宰するアカデミー(※)などでセミナー運営を支える大河さん。

川島章弘さんと「一人ぼっちを作らない」を掲げるUber Eatsチームを運営し、オープンチャットや勉強会を通じて、悩みや経験を共有できる場を作っています。またセミナー運営では、相手の様子を見ながら必要なことを考えて動く姿勢を大切にし、その仕事ぶりは北原さんからも高く評価されています。

しかし、初めから自分に合う役割を見つけていたわけではありません。長らく自分を「ゴミだ」と捉え、さまざまな仕事を経験しながら、自分を変える方法を模索。現在ではその感覚をメリットに捉えて、人を支える力へとつなげています。

Uber Eatsチームでの活動、自分に合う場所を見つけるまでの歩みについて伺いました。

※北原孝彦アカデミー:UBM(ビジネス行動管理大学)の学びをベースにしながら、北原孝彦のより近くで学ぶ区画。北原氏が直接指導にあたる。メンバーは経営スキルだけでなく、人としての在り方を学ぶ。

Uber Eatsとセミナー運営。二つの仕事を掛け持つ日々

――現在の仕事について教えてください。

大きく分けて2つあります。Uber Eatsのフードデリバリーと、北原さんが開催するセミナーの運営サポートです。

Uber Eatsではバイクで配達しており、場所や時間帯にもよりますが、1時間に4件ほど配達します。現在は1日最大12時間まで稼働できるので、長く働く日は50件近く配達することもあります。

セミナーサポートは平均で月8〜9日ほどです。UBM(※)合宿や勉強会、説明会、壁打ち会などの運営側をしています。新しいイベントが始まる際も、運営スタッフとして呼ばれることがあります。

※UBM(ビジネス行動管理大学):北原孝彦が代表を務めるビジネス塾。2020年に「北原の精神と時の部屋」として設立、2024年11月に現名称に改称。

――実際、Uber Eatsってどれくらいの収入になるものなんでしょうか?
Uber Eatsだけで、平均すると月40万〜50万円ほどの収入になっています。配達を始めたばかりの方でも、車両や活動エリア、稼働時間次第で月30万〜40万円はじゅうぶん狙えるラインだと思います。

――それは夢がありますね。ところで、大河さんは個人で配達する一方、川島章弘さんとUber Eatsチームでも活動していますよね。

はい。「一人ぼっちを作らない」というコンセプトのチームです。Uber Eatsは、基本的に一人で完結する仕事です。バイクや自転車で商品を受け取り、お客様に届けて、「ありがとうございました」で終わります。自分から話しかけない限り、店員さんやほかの配達員とコミュニケーションを取る機会もほとんどありません。だからこそ、配達員同士がつながり、一人ではないと感じられる居場所を作っています。

――具体的には、どのような活動をしていますか。

公式LINEと、発信用・交流用・稼働用の三つのオープンチャットを運営しています。

発信用では、月例会や交流会、勉強会などを告知しています。川島さんのnoteや、北原さんから得た学びを共有するときにも使っています。

交流用オープンチャットは、比較的自由にコミュニケーションを取る場所です。「Uber Eatsを始めようか検討しています」「今日初めて稼働しました」「ここが分かりません」といった投稿があります。勧誘を禁止するなど、最低限のルールは設けていますが、自由に交流してもらっています。

稼働用オープンチャットでは、その日の売り上げや稼働予定、届いた案件、失敗したことなどを共有しています。「ディズニーホテルへの配達が3件連続で来ました」というメンバーの投稿もありました。

稼ぐだけじゃない。全国各地の「つながり」を生むUber Eatsチーム

――オープンチャット以外にも、参加者同士がつながる機会はありますか?

川島さんが朝に5分間だけZoomをつないで、それぞれがその日の目標を共有しています。ほかに、月2回のオンライン勉強会と、月1回の対面の月例会を開催しています。

――勉強会とは、どのようなことをしているのでしょうか?

Uber Eatsの技術だけでなく、チームで大切にしたい考え方も共有しています。川島さんはチームを作った理由を説明し、「可愛がられる力」など、北原さんとの関わりから得た学びを伝えています。自分も未経験者に向けて、Uber Eatsをゼロから始める方法を伝えました。

勉強会はオンラインで開催しており、名古屋や福岡など全国各地から参加者が集まります。地域によって需要や稼ぎやすさは異なります。

例えば、岐阜県の参加者から相談を受けた際には、周辺の配達状況を調べました。岐阜県内では十分な情報を得られませんでしたが、近隣の名古屋には安定して稼ぐ配達員がいたので、「名古屋に自転車を置き、電車で通って稼働する方法もありますよ」と提案しました。

――対面形式の月例会についても教えてください。

2時間の二部構成で、第1部を川島さん、第2部を自分が担当しています。基本的にはオンライン勉強会と同じで、考え方を共有し、チームとしての価値観を合わせる場です。ただ、対面で集まるので、参加者同士がコミュニケーションを取る時間を多く設けています。

例えば、4人ほどのグループに分かれ、Uber Eatsを始めたばかりの人が経験者に質問します。一人ひとりが意見を共有し、最後に壇上で発表する時間も設けています。

――取り組みを続けるなかで、参加者にはどんな変化がありましたか?

月例会で、「一人だったら続けていなかった」「このチームに感謝しています」と言ってくれた人がいました。ほかの人の稼働状況や売り上げを見ることで、行動の基準が上がった人もいます。自転車で月50万円を達成した人もいました。一人では動けなかった人が、仲間とのつながりを感じることで行動できるようになる。そこに、チームを作った大きな意味があると思います。

――そもそも、Uber Eatsの仕事で孤独を感じる人が多いということですよね。なぜなのでしょうか。

自分自身は、Uber Eatsの仕事で孤独を感じたことはあまりありません。ただ、業界では収入や効率を重視する傾向があり、Uber Eats関連で発信される内容も「いくら稼げたか」「どう効率化するか」といったものが中心です。一方で、人との関わりを大切にする発信は少なく、それが孤独につながっているのではないかなと思います。

料理ではなく、「好きな人の手伝い」が好きだった

――高校卒業後は、どのような進路を選びましたか。

1年間の調理師専門学校を卒業し、生パスタの店に勤めました。ただ、遅刻をするなどして、半年ほどで解雇されました。その後は、小説を読むことが好きだったので、書店で1〜2年ほどアルバイトをして、21歳頃から再び飲食店でキッチンを担当しました。2017年頃まで働いていましたが辞めました。

――再び料理人になったということは、大河さんは料理の仕事が好きだったんですかね。

いえ、今振り返ると、料理人になりたいと勘違いしていたのだと思います。小学校1〜2年生の頃、母親の料理を手伝うことが好きで、「料理人になる」と言っていました。その記憶から、自分は料理が好きなのだと思い込んでいたんです。でも今振り返ると、本当に好きだったのは料理ではなく、好きな人の手伝いをすることでした。だから実際に飲食店で働いても、特に楽しいとは感じませんでした。

――飲食店を辞めたのも、仕事が楽しくなかったから?

いいえ。飲食業が自分に合っていなかったというより、自分自身のことが死ぬほど嫌いで、どうにか変えたいと考えていました。高校生の頃にも、「頑張っても無駄だ」と思い、自分の人生を頑張ることを諦めて何となく生きるだけの状態でした。

当時も自分のことを「ゴミだ」と思っていました。だからこそより良くなるためには学ばなければいけない。そう考えていたとき、スティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』に出会い、衝撃を受けました。

――『7つの習慣』の、どのような考え方に引かれたのでしょうか。

特に印象に残ったのは、「原理原則」という考え方です。

自分のなかには、「正しいことをしなければいけない」という一種の呪縛がありました。しかし原理原則はその「正しさ」とは違うと分かり、正解を探し続けなくても原理原則に従えばいいと思えて、気持ちが軽くなったんです。

――『7つの習慣』との出会いをきっかけに、行動はどう変わりましたか。

さまざまなセミナーに参加するようになりました。そのなかで知った会社が人材を募集していたため、応募して採用されました。事務を含むセミナー運営を担当しながら、自分も参加者として学びました。5年半在籍し、2022年7月頃に退職。その後、信頼している知人に紹介してもらった方からコンサルを受け、個人事業主になることを選び、売り上げを伸ばすコンサルティングを始めました。

――事業は順調でしたか?

お客様はいる状態でした。ですが、事業コンサルを始めて1カ月ほど経った頃、大事にしている飼い猫の病気が発覚したんです。看病をしながらの活動となるなかで、さまざまなトラブルも重なり、事業コンサルは8カ月ほどでやめることになりました。

その後、ゼロから別の事業を始めようとしましたが、そちらもうまくいかず……。しばらくほとんど働けず、収入がない状態が続きました。そんななかで知ったのが、北原さんでした。

「行動力のある人の近くに」北原さんとの出会いで見つけたサポートという生き方

――北原さんを知ったのは、いつ頃ですか。

2022年9月頃に、YouTubeで知ったと思います。北原さんの壁打ち動画などを見ていました。これまで学んできた自己啓発とは、話している内容が違ったんです。

――どのような違いを感じたのでしょうか。

それまで学んだ自己啓発では、大きな目標を掲げ、そこへ向かうという話が中心でした。一方、北原さんは、「100円を稼ぐことを1万回積み上げればいい」という趣旨の話をしていました。大きな目標を掲げるだけではなく、再現できる小さな行動を積み上げていく。その考え方が印象に残りました。

自分には行動力がない。だから、行動力のある人の近くに行き、影響を受けたい。そう考え、2022年後半に本気フェス(※)のスタッフへ応募しました。スタッフに決まった後、同年11月頃に「北原の精神と時の部屋」(※)に入り、12月には弟子区画(※)にも応募しました。

※本気フェス:北原孝彦が2023年に3日間開催したビジネスフェス。

※北原の精神と時の部屋:北原孝彦が代表を務めるビジネス塾。2020年に設立し、2024年11月にUBM(ビジネス行動管理大学)に改称。

※弟子区画:「3年間は挑戦から逃げない」と北原に約束した人が参加する、「北原の精神と時の部屋」内の区画。毎月の月報提出に加え、弟子合宿では全員が活動報告と事業プレゼンを行い、北原から指導を受ける。

――その後、セミナーサポートを始めたのはなぜですか?

当時は事業を動かせず、アルバイト中心の生活を送っていました。休みを調整してUBMの合宿にも参加していましたが、事業が進んでいなかったので、相談できることがありませんでした。それなら、参加者として出るよりも北原さんをサポートしたほうがよいと考え、ちょうど募集していたUBMの運営スタッフに応募したんです。

――大河さんの細やかなサポートは、北原さんも絶賛していますよね。サポートする際に、大切にしていることはありますか?

一言で言えば、相手の立場で考えることです。セミナーを開くなら、会場を設営する、受付をする、終了後に片づけるといった基本的な仕事があります。まず、それらをテンプレートとして自分のなかに持っています。そのうえで、テンプレートにはない小さなサポートを、相手の立場から考えます。

――「相手の立場を考える」ですか。それは観察するということでしょうか。

はい。例えば、合宿では、北原さんはいつも水とスターバックスのコーヒーを常備しています。ところが、ある時期に続けて炭酸飲料を買っていて。ある日、北原さんのマネージャーの山田慶さんに「炭酸のジュースを買ってきてください。オロナミンCくらいの少量がちょうどいいです」と頼んでいるのを見たんです。

そこで、次の合宿で私が北原さんにオロナミンCを差し入れすると、とても喜んでくださって。次回以降の購入費として1万円札を手渡されたんです。「これからは毎回、大河に用意してほしい」と言われました。

「君は職種だけなんだよね」Uber Eatsで見つけた適材適所

――ところで、大河さんがUber Eatsを始めたきっかけが気になります。

きっかけは、弟子合宿で北原さんに「君は合う職種が見つかっていないだけなんだよね。合う職種があればね」と言われたことです。そのとき、以前からUber Eatsが気になっていたことを思い出しました。

Uber Eatsの存在を知ったのは、食費を抑えるために勤めていた近所の飲食店でのアルバイト先でした。同僚にUber Eatsの配達員がいて、時給を聞くと「2000〜2500円ほど」とのこと。魅力的だと思いつつも、登録の手間もあってすぐには始められずにいたんです。

自分は正社員のように毎日時間通りに出勤することが苦手なのですが、Uber Eatsなら決まった出勤時間がありません。「これなら合っているかもしれない」と思い、2025年7月に始めました。

7月は途中までアルバイトを続け、後半からUber Eatsで稼働。両方の収入を合わせると約50万円になりました。北原さんに報告すると、とても喜んでもらえました。

――その後、チームにまで発展していったのはなぜでしょうか。

自分の売り上げを見た北原さんが、事業で最初の一歩を踏み出せずにいる人も、Uber Eatsをきっかけに行動できるのではないかと考えたのだと思います。2026年1月には、億越えルームの休憩中に川島さんから「Uber Eatsのことでお手伝いできたらと思っています」と声をかけてもらい、今の形になりました。自分のなかで川島さんは、北原さんの言葉でいう「グリットパートナー」だと思います。

川島さんがいなくなれば、チームの顔がいなくなります。一方、自分がいなくなれば、川島さんが管理を含めてすべて担わなければならず、負担が大きくなります。役割は違いますが、お互いにチーム運営には必要な存在です。

――現在のチームでの役割は、ご自身に合っていると感じますか。

これまでの仕事に比べると、格段に自分に合っていると感じます。自分は、ゼロから何かを作るよりも、決められた役割を担う方が力を発揮しやすいタイプです。例えば、既存のPowerPointを使って北原さんの講義を代行するよう求められれば、対応できます。

一方で、自分でゼロから新しいモノを作ることは非常に苦手です。北原さんは、そうした自分の特性を踏まえ、難しいことは話し合いながら役割を決めてくれます。Uber Eatsチームも、自分が力を発揮できるように作ってくれた場所の一つだと思います。

「自分を嫌いでもいい」過去の自分を助けられる人へ

――先ほど「自分のことを『ゴミだ』と思っていた」と語っていましたが、セルフイメージは変わりましたか。

今は、人生に絶望してはいません。「この人といるときは、自分はゴミではない」と思える場面も増えました。ただ、基本的なセルフイメージとして、「自分はゴミだ」という感覚は残っています。以前は99%そう思っていたものが、今は60%ほどになったという感覚です。一方で、このセルフイメージにも良い面があって……。

――というと?

自分よりも相手の方が優れていると感じる分、その人の良いところを見つけやすいんです。そして、その素晴らしさを本人にうまく伝えられれば、相手にも喜んでもらえる。そう考えられるようになってからは、このセルフイメージを悪いものとして捉えず、ネガティブな側面にとらわれることも少なくなりました。

――そうしたセルフイメージを持つ大河さんを、北原さんはどのように評価していますか。

「(仕事ぶりが)安定している」「任せても変なことをしない」と言われたことがあります。自分のなかに、「正しいことをしなければならない」という意識が強くあるからだと思います。

――その「正しいことをしなければならない」という意識が、苦しさにつながることもありますか。

以前はありました。「こうするべきだ」という自分なりのルールが次々と増えていって、そのルールを守れない自分を責めてしまい、苦しくなることがあったんです。ただ、周囲からの信頼につながっている面もあると感じていて。良い部分は残しながら、行き過ぎたところを少しずつ変えている途中です。

――今後、大河さん自身が実現したいことを教えてください。

過去の自分自身を助けられる人間になりたいと思っています。具体的には、自分のことが大嫌いな人が、自分を受け入れられるよう支えたいです。

多くの人は、「自分を嫌いではいけない」と考え、そんな自分を否定します。でも、そうなるまでには、自分を嫌いになるだけの理由があったはずです。まずは、「自分を嫌いでもいい。そうなる理由があったのだから」と受け入れる。そこから最終的に、「この自分でいい」「この自分だからこそ良かった」と思えるようになる。そういう支援をしていきたいです。

◆Uber Eats・セミナーサポート|大河

X

ひとりぼっちを作らないUberチーム 公式LINE


取材を終えて

大河さんは、自分にとても厳しい方。「正しいことをしなければいけない」というルールを、今も少しずつ調整し続けている姿には、まじめすぎるほどの誠実さを感じました。

その一方で、大河さんは多くの人に愛され、頼りにされています。「UBM合宿は大河さんと会えることが楽しみなんです♪」という人たちの声をあちこちで聞いています(大河さんの隠れファンは多い!)。

「過去の自分を助けられる人間になりたい」という言葉には、静かな熱量がありました。大河さんの自分への厳しさこそが、これからも多くの人を支えていくのだろうと感じた取材でした。

(記事制作:ひとひら企画/インタビュアー:渡辺まりこ、人生の軌跡グラフ制作:Emodea・相場綾香)

※掲載情報は2026年6月現在のものです。最新情報は公式サイト等をご確認ください。