【美容室Dears経営|遠山直人】 長時間労働から「家族を優先できる働き方」へ。独立して年商3600万円サロンを築くまで

愛知県名古屋市・金山にある髪質改善専門サロン「Dears金山店」。オーナーの遠山直人さんは、髪のクセや広がり、パサつきに悩む女性に向けて、マンツーマンで丁寧な施術を届けています。現在は5名体制、年商約3600万円規模のサロンへと成長。美容師向けの講座事業にも挑戦中です。

しかし、ここまでの道のりは決して順調ではありませんでした。以前は朝から深夜まで働き、家族との時間もほとんど持てない日々。そんなときに北原孝彦さんと出会い、働き方と価値提供を見直し、DearsのFCオーナーとして独立。お客様を増やし、家族との時間を大切にしながら安定した経営を実現していきました。 

悩んだ一人の美容師は、どのようにして今の働き方にたどり着き、次の挑戦へ向かっているのでしょうか。これまでの歩みを伺いました。

通うほど髪がきれいになる。自信を取り戻す髪質改善サロン

ーーまず、美容室「Dears」の特徴を教えてください。
髪質改善に特化した美容室です。クセや広がり、パサつきなど、髪に悩みを抱えている方は少なくありません。そうした悩みは、見た目だけでなく、自信にも関わってくるものだと思っています。だからこそ僕たちは、ただ髪をきれいにするだけでなく、髪へのコンプレックスを少しでも和らげ、一歩前に進むきっかけを作ることがコンセプトです。

あとは、過去に通った美容室で施術を雑にされたり、希望をうまく伝えられなかったりした経験から、美容室に不信感を持っている方でも安心できるよう、個室・マンツーマンで対応しています。最初のカウンセリングも、30〜45分ほどかけてお悩みを丁寧に深掘りし、お客様が思い描く未来に近づけるよう、伴走しています。

ーー施術を行ったお客様からはどのような声が届いていますか?

例えばカラーですが、一般的に美容室で白髪染めを繰り返すと髪の毛にダメージが蓄積し、バサバサになるケースがあります。でもDearsのカラーは髪がきれいになる成分が入っているので、通うほど髪の状態が良くなるんです

白髪を染めるたびに髪が傷んでいくように感じ、美容室に行くことにどこか罪悪感があった方も、Dearsに通うようになって、髪がきれいになっていくのを実感してくださっています。さらに、周りの方から「髪がきれいですね」と褒められて嬉しかった、というお声をいただくこともあります。

努力を積み重ねて築いた、美容師としての土台とキャリア 

ーー遠山さんのこれまでについても聞かせてください。なぜ美容師の道を選んだのですか? 

実は、最初から「美容師になりたい」と決めていたわけではなかったんです。進路についていろいろと考えるなかで、自分が頑張ったことや努力したことが誰かの役に立って、相手に喜んでもらえる。その姿を見て、自分も嬉しくなるというループが好きだと気づいて。それで美容師という仕事が、一番自分に合っていると感じたんです。

ただ、その原点をたどると、中学生の頃に初めて美容室でカットしてもらった体験が大きいです。それまではバリカンでスポーツ刈りにしていたのですが、美容室でカットしてもらったら自分の髪が見違えるくらい変わって感動しました!あと、担当してくれた美容師さんも、すごく楽しそうに働いていて、おしゃれで、周りの大人とは少し違って見えたんですよね。

ーーなるほど。それで高校卒業後は美容系の専門学校へ進学し、その後どうなりましたか?

名古屋で勢いがあり、注目されていたサロンに就職しました。当時そのサロンは、名古屋では珍しいストリート感のあるデザインや、東京の有名サロンのようなテイストを取り入れていました。スタッフのファッションもかっこよくて、個性を持った人たちが刺激し合いながら成長していました。ここなら自分の個性も活かせるんじゃないかと思いました。

あと、僕は昔から「環境が人を育てる」という考えを持っていまして。部活動でも、強いチームに入ると成長が早いように、美容師としてもレベルの高い環境に身を置いて、自分を鍛えたいと思っていました。 

ーー実際に働いてみて、どうでしたか?

現場で経験を積むなかで、美容師としての価値観が少しずつ変わっていきました。以前は「早くて安くて上手いお店が一番いい」と思っていたんです。でも実際に働いてみると、しっかりと対価をいただいて、その分きちんと価値をお返しするほうが、お客様の満足度は高いんだと感じるようになりました。

ーーその経験の裏には、苦労した時期もあったのでしょうか。

お店の方針自体は共感できたんですが、実際の現場はかなり厳しくって……。上の立場の人から強い言葉で指導されることもありましたし、精神的にきつい時期もありました。でも「売れるまでは辞めない」と決めていたので、とにかく続けることを選びました。 

毎朝誰よりも早く出勤して練習しましたし、掃除やイベントサポートなど、地味なことも全部自分から取り組んでいました。それで11年目に店長になり、売上も月200万円を超えて、美容師として結果を残せたと思います。嫌なことも多かったですが、「やれるところまでやった」という達成感がありました。 

ーーなぜそこまで努力できたのでしょうか?
自分が器用ではないという自覚があったからです。人と同じ量をこなすだけでは追いつけないので、人の何倍もやるしかないと思っていました。

学生時代も同じで、バスケットボール部でキャプテンを務めていたんですが、そのときも自主的に朝練をしていました。 「人より多くやって、やっとみんなと同じくらいの位置に立てる」という感覚がずっとありましたね。

家族との時間を犠牲にした働き方に、限界を感じた瞬間

ーー美容師として、働き方の面で大変さを感じることも多かったんでしょうか。

店長になった頃に結婚し、子どもも生まれました。ただ、当時は朝9時に出勤して、帰るのは夜11時半頃という生活が当たり前で。ミーティングがある日は、気づけば深夜になっていることも珍しくありませんでした。休日にもサロンモデルの撮影会などがあり、子育てはほとんど妻に任せきりでした。

妻も美容師だったので「美容師はこういう働き方だよね」という共通認識はありましたが、今振り返るとかなり無理をさせていたと思います。その頃から少しずつ、「この働き方を続けていいのか?」という疑問が芽生えていきました。

ーーかなりハードな生活だったんですね……。 

本当は家族で一緒にご飯を食べたかったし、子どもをお風呂に入れてあげたかった。でも、職場では店長として動かなければならない。仕事に力を入れるほど家庭の時間はなくなって、だんだん身が入らなくなっていきました。

ちょうどその頃に知ったのが、北原さんのビジネスモデルです。「短時間で成果を出す働き方」が紹介されていて、自分の理想に近いと感じました。それで「自分の店舗でも取り入れられないか」と考えて、まずはスタッフを早く帰らせるところから始めたんです。ただ、上にいるマネージャーの理解が得られず、方針の違いでぶつかることも増えていきました。

ーーそうした状況から、どのような行動を起こしたのでしょうか。 

転職を決めました。 お店の方向性を決めるのは社長であり、店長の自分にはどうしても限界がある。動けば動くほど現場との溝も広がっていって、「このままここで働き続けるのは違うかもしれない」と思うようになったんです。しかも、店長として数字は出せていたものの、その上のポジションは埋まっていて、この先のキャリアが見えない状況でしたからね。

限界からの挑戦。北原さんとの出会いで見つけた、新しい生き方

ーー先ほど北原さんの名前が挙がりました。存在を知ったのはいつ頃だったのでしょうか。  

美容室で店長をしていた頃です。「美容室を辞めたい」と考えていた頃に、北原さんのサイトを見つけたのがきっかけでした。Dearsのビジネスモデルを知り、「この仕組みを学びたい」と思い、大阪で開催されていたセミナーに参加したのが最初の接点です。

その後もブログやメルマガを継続して読み、考え方や仕組みを学ぶうちに「このやり方なら再現できる」と確信しました。

ーーその時点で、Dearsへの加盟も考えていたんですか?

働き方を根本から変えたいという思いが強かったので、退社前から「このモデルで挑戦したい」と決めていました。北原さんにも相談していて、物件が見つかれば加盟できるところまで話は進んでいたんです。

ただお店をやめた後、肝心の物件がなかなか見つからなくて。その間は、お惣菜を作る工場でアルバイトをしながら次の準備を進めていました。 

ーー工場勤務を経て、お店をオープンしたんですね。 

2021年2月にDears金山店をオープンしました。ただコロナ禍ということもあって、最初は予約がほとんど入らない状態でした。ですから、空いている時間はUber Eatsで働いていて、美容室の問い合わせがあればすぐに対応する、という日々を過ごしていました。

ーーそこから、どうやって売上を上げていったんですか? 

最初は前の職場のお客様に声をかけました。そして2〜3カ月目頃から、少しずつお客様が増え始めて、10人、20人と来ていただけるようになっていきました。その後、5カ月目に月商100万円を達成し、10カ月目には150万円。予約もほぼ埋まるようになり、自分一人では対応しきれなくなっていきました。

大きなポイントとなったのは、リピートがしっかり取れたことです。Dearsは次回予約を取る仕組みがあるので、一度来ていただいたお客様が継続して通ってくださったんです。

ーーその後はスタッフも増えていったのでしょうか?

はい。最初に入ってもらったのは妻でした。同じ美容師として、ビジネスモデルの再現性を確かめたくて協力してもらったんです。 結果として妻も安定的にリピートを取れるようになり、「この仕組みは人に依存せずに成り立つ 」と確信できました。そこからスタッフを増やしていき、現在は5名体制に。5部屋すべてが稼働し、年商も約3600万円まで伸びています。

ーーすごい成長ですね!働き方や生活にはどんな変化がありましたか? 

一番大きいのは、時間と心に余裕が生まれたことですね。家族との時間が増えて、疲れていた心身も少しずつ回復していきました。

スタッフが増えてからは自分の稼働時間も減り、時間・お金・心のバランスが取れた働き方ができるようになったと感じています。  

自分が成長することで、周りに価値を提供できる。経営者として学び続ける姿勢

ーーUBM(※)には、どのタイミングで参加したんですか。

「北原の精神と時の部屋(※)」が立ち上がったときに、「北原さんの考えを学びませんか?」と勧められて入会しました。当時は美容室向けの発信が中心で、オーナーの相談に北原さんが答えるのを見るうちに 「こんな思いでDearsを動かしているんだ」と知っていきました。

当時、Dearsオーナーは必ずしも合宿に参加する必要はなく、僕も「行かなくてもいいか」と思っていました。でも北原さんのライブ配信を見ていたら「オーナーさんも、合宿に来てもいいんだけどな」と言っていて。その言葉を聞いて、すぐ次の合宿に参加したんです。

そこで北原さんから「あなたが来るかを見ていました」と言われました。その後、僕がInstagramでシャンプーの動画を上げてから、北原さんとの距離が一気に縮まりました。

※UBM(ビジネス行動管理大学):北原孝彦が代表を務めるビジネス塾。2020年に「北原の精神と時の部屋」として設立、2024年11月に現名称に改称。

※北原の精神と時の部屋:北原孝彦が代表を務めるビジネス塾。2020年に設立し、2024年11月にUBM(ビジネス行動管理大学)に改称。

ーーシャンプーの動画というと?

この動画です。当時のDearsのオーナーの間では、まだ発信する文化がなかったのですが、当時は求人が集まらなかったこともあり、僕は日々の取り組みをSNSで発信するようにしたんです。

ちょうどその頃、Dearsのヘアアイテムがリニューアルされたので、実際に使っている様子を動画にしてInstagramに投稿しました。すると、その動画を北原さんが取り上げてくださって、「一度会いましょう」と声をかけていただいたんです。 それがきっかけで北原さんのYouTubeに出演しました。

ーー北原さんの承認は取らずに、UBMのメンバーに無料でトリートメントを体験してもらって、その様子を動画にして発信しようと企画した、という内容の回ですね。  

「遠山さんを世に出したいから、あえて強めの演出をする」と事前に伝えてくださって、かなり指導していただきました。最初は驚きもありましたが、動画公開後は一気に反響が広がって。そこから少しずつ、自分の名前やサロンの認知も広がっていき、発信に対して手応えを感じるようになりました。

その後は合宿などで直接お会いする機会も増え、YouTube企画にも継続的に関わらせていただく他、Dearsのチャンネル運営を任せていただくこともありました。そうした発信や行動の積み重ねのなかで関わる場面が増え、北原さんとの距離も徐々に縮まっていったと感じています。

ーー北原孝彦アカデミー(※)(以下、アカデミー)に入会したのはいつでしょうか。

2025年9月に入りました。その年の4月に「未来創造サミット」というイベントで、北原さんや、同じDearsのFCオーナーである山口剛広さんとお話しする機会があって。その流れで「9月に東京へ来られますか?」と声をかけていただいたんです。

※北原孝彦アカデミー:UBM(ビジネス行動管理大学)の学びをベースにしながら、北原孝彦のより近くで学ぶ区画。北原氏が直接指導にあたる。メンバーは経営スキルだけでなく、人としての在り方を学ぶ。

実際に北原さんのご自宅でお話を伺い、「今後、一緒にやっていく気はあるか」と聞かれて、その場でアカデミーに入ることを決めました。詳しい内容を知らないままでしたが、「恩がある人に言われたことは必ずやる」という気持ちで飛び込みました。 

「言ったことをやり切る人」北原さんは何よりも信頼できる存在

ーー北原さんのもとで学ぶなかで、ご自身にどんな変化がありましたか。

一番大きかったのは、「自分自身が成長しないと、周りに価値を届けられない」と気づけたことです。それまでは「技術を提供すれば売上につながる」という考え方が強かったんですが、講座や発信を通して、人としての魅力や考え方も価値の一部なんだと実感するようになりました。そこから言葉の使い方や行動、人との関わり方が大きく変化しましたね。

あと、「約束」をすることも大きかったです。たとえば、「3カ月後までにスタッフを採用します」と決めると、本当に3カ月以内にスタッフが入るんです。言葉にして約束することが、現実を動かしていくんだと実感しました。 

ーーすでにサロン経営では成果を出していますが、それでも学び続ける理由は何でしょうか。

「経営者の器以上にお店は大きくならない」と言われるように、自分が成長し続けることで、その分お店も伸びていくと感じているからです。だからこそ、学び続けることは欠かせないですし、自分の考え方や言葉が変わることで、スタッフや家族にもいい影響が広がっていくと思っています。

ーー遠山さんにとって、北原さんはどのような存在ですか? 

一言で言うと、「言ったことをやり切る人」です。目の前の人のために何をすべきかを決め、実行し続けている。その姿をずっと見てきて、何よりも信頼できる存在だと感じています。

それに北原さん自身はもともと人前で話すことや発信が得意だったわけではないと聞いています。それでも必要だと判断すれば、迷わずやる。苦手を乗り越えて形にしていく姿を見て、「人は本気で行動すれば必ず変われる」と学ばせていただきました。

だからこそ、自分も「まずは行動してみよう」と思えるようになったんです。そこから少しずつ、自分のやりたいことにも挑戦できるようになりました。

「人に教えること」で美容師に新しい選択肢を

ーーこれからは、どんなことに挑戦していきたいですか。 

Dearsの経営に加えて、無形商品の展開に力を入れていきたいです。Dearsで培ってきた「次回予約がしっかり取れる仕組み」を軸に、それを再現できずに悩んでいる美容師さんに向けて、考え方や仕組みを伝えていきたいですね。

僕自身も40代ですが、同年代の美容師の方でも、技術だけに頼るのではなく、「人に教えること」「仕組みで価値を提供すること」でセカンドキャリアを作ったり、労働以外の収入を得たりする選択肢を広げていきたいと思っています。

ーーその取り組みは、すでに動き始めているのでしょうか。

はい。勉強会や講座の開催という形で、少しずつ動き始めています。Instagramで発信しながら、興味を持っていただいた美容師さんにお声がけして、交流の場も少しずつ増やしていきたいと思っています。

ーーこれまでの美容師の仕事と比べて、難しいと感じる部分はありますか。 

一番大きいのは、自分の力で人を集める必要があるところです。これまでは用意された仕組みのなかで成果を出してきましたが、これからは自分の力で人を集めて価値を届けていく必要があります。難しさも感じていますが、その分、自分自身の成長にもつながっていると感じています。

北原さんのように、教えることで「助かりました」と笑顔になってくれる人が増えていく。そんな優しい世界を作っていきたいですね。 


取材を終えて

今回の取材を通して、遠山さんはかなりの苦労人なんだと知りました。美容の世界はキラキラして華やかなイメージがあるけれど、現実はそんなに甘くない。その裏側にある厳しさを、改めて知った気がします。

そして、それ以上に印象的だったのが、遠山さんが凄まじい努力家であること。うまくいく方法はすべて試し、可能性のあるカードを端から全部めくっていく。もがき続けるその姿勢が、北原さんの信頼につながったのだと納得しました。 

同じくDearsを経営する他アカデミーメンバーとの連携も、これからどう加速していくのか楽しみです!

(記事制作:ひとひら企画/インタビュアー:渡辺まりこ、人生の軌跡グラフ制作:Emodea・相場綾香)

※掲載情報は2026年4月現在のものです。最新情報は公式サイト等をご確認ください。