【システムエンジニア|高橋雄太】売り上げを伸ばすことがゴールじゃない。師と仲間が教えてくれた「人間性」の大切さ 

東京を拠点に活動するシステムエンジニア、高橋雄太さん。業務効率化に特化したサイト構築から、エンジニアの単価アップを目指す伴走支援まで、幅広いサービスを展開しています。 

高校時代にハマったネットゲームをきっかけにITの世界へ飛び込み、複数の企業でシステム開発を経験したのち独立。その後、北原孝彦さんと出会い、さらなる一歩を踏み出します。  

その歩みの中でつかんだものとは何なのでしょうか。お話を聞きました。

Webサイトに便利な機能を組み込み、手間を解消!

――高橋さんはシステムエンジニアということですが、具体的にどのようなお仕事をしていますか。

メインはシステム開発です。以前は、会社の中で使う管理システムのように、表からは見えにくい仕組みを作ることが多かったのですが、最近は中小企業の方からの相談が増えていて、Webサイトに付随する機能を作る機会が増えています。

――「Webサイトに付随する機能」とは?

たとえば、経営者などが集まる商談会形式の交流会・守成クラブのWebサイトでは、メンバーの管理機能を作りました。会員ごとにマイページを作成でき、メンバーが増えた場合も、サイト上で情報を追加・管理できるようにしています。

守成クラブでは、毎月「オンライン商談会」や「品川合同ディナー懇談会」などのイベントが開催されています。以前は手作業でイベント情報を入力していて、1件登録するのに5〜10分はかかっていました。そこで、テンプレート機能を追加したところ、1件10秒で登録できるようになりました。

――それはかなりの時間短縮ですね! 

その他、チケット販売サイトも制作しています。既存のイベントプラットフォームもありますが、ページのフォーマットがある程度決まっているので、イベントごとの世界観を出しづらいんです

そこで、見せ方をカスタマイズできるチケットサイトを制作しました。協賛・Zoom・一般参加など購入パターンごとに種類を分け、Zoomチケット購入者には入室リンクを自動発行するなど、購入内容に応じて案内する情報を変えられる仕組みも実装しています。 

リマインドメールも送れますし、イベントが終わった後に「ありがとうございました」とメールを送って、LINE登録につなげることもできます。あとは、最近追加した機能として、イベント参加者の一覧ページを自動で作れるようにしました。参加者のプロフィール情報を一覧で見られるので、参加者同士がつながりやすくなります。

「自分を売るのが苦手」なエンジニアに伴走する、単価アップコンサルと人生相談会

――エンジニア向けの単価アップ伴走プログラムも展開していると聞きました。これはどのようなサービスですか?

キャリア3~5年目のエンジニアを対象に、年商を上げるための伴走をするサービスです。「未経験からエンジニアになれます」と謳うスクールはよくあります。でも、ある程度プログラムが書けるようになった方が「キャリアをワンランクアップするにはどうすればいい?」という部分に目を向けるサービスは少ないんですよ。

――実際には、どんなお悩みを相談されることが多いのでしょうか。

「もう少し給料を上げられそうだけど、どう動けばいいのか分からない」という相談は多いですね。エンジニアは高い技術を持っていても、自分の経験や強みを言葉にするのが苦手な方も少なくありません。キャリアアップをするには「自分に何ができるのか」を伝える力が必要です。僕自身もコミュニケーションが得意なタイプではなかったので、その難しさはよく分かります。

――どんな成果が出ているんですか?

半年ぐらい伴走した方が、年商560万円から790万円になりました。現在は一対一のコンサルをしていますが、人数が増えてきたらグループコンサルの形にすることを検討しています。

――他にもエンジニアに向けたサービスはありますか?

5年後・10年後のキャリアを描けていない人に向けて、「人生相談会」のようなことも行っています。仕事の悩みは技術だけでなく、上司と合わない、人間関係に自信がない、プライベートの悩みなど、多岐に渡っています。

でも、目の前のコードを書くことに精一杯で、自分がこの先どうなりたいのかまで考える余裕がない人も多くいます。そういった方と一緒に、これからのことを整理しています。 

他にもChatGPTやClaudeなどのAIを使って「アプリを作る会」というイベントも開催しています。エンジニアでもAIをあまり使っていない人がいるので、AIを使った開発スキルを身につけて、自分の枠を広げてもらいたいと思っています。

親の目を盗んで没頭したネットゲーム。すべては「調べる」から始まった

――高橋さんのこれまでについてもお聞きします。学生時代からIT関連に興味があったんですか?

ある程度はありましたね。高校時代、受験勉強中の音楽プレーヤーがパソコンだったんです。家に1台しかなかったので、親が起きている間は音楽をかけながらまじめに勉強して、寝静まったらこっそりネットゲームに切り替える、という生活でした(笑)。 

よくプレイしていたのが『エイジ・オブ・エンパイア』のような戦略ゲームです。当時はネットゲームをするためにルーターの「ポート開放」という設定が必要で、どのポートをどう開ければいいのか、掲示板やブログを調べながら自分でひたすら試していました。 

――その頃から、パソコンやネットに触れる時間は多かったんですね。大学も情報系に進んだのでしょうか。

はい。北海道にある情報系の大学に進学して、大学院まで進みました。その後、就職のタイミングで東京に出てきて、最初はSESという形態で働いていました。自社内で開発するのではなく、いろいろな会社に出向して開発に携わる働き方で、大手企業に常駐してシステム開発をしていました。

そこからの経歴は、4社です。

SESの会社からスタートして、RubyやPythonを学べるコミュニティの活発な会社へ。その後、新規事業の終了で保守チームに移りそうになり、また転職。ゴリゴリのベンチャー企業に入社したのですが、ここがとにかくハードで……。


――ハードというと?

忙しいときは会社に寝泊まりするような日が2~3日続くこともありました。それで肉体的・精神的にも辛くなってきて、月の半分ほどは朝起きられなくて遅刻して……。もう少し安定して働きたいと思うようになったんです。

――それはかなりしんどい状況ですね。その後、どういう経緯で独立に至ったのでしょうか。

当時、会社員から業務委託に切り替えていて、長期案件が入ることが多く、提示されたひと月あたりの金額が会社員時代の約2倍だったんです。これなら独立してやっていけると判断して、2021年、34歳のときに法人化しました。 

「この人、面白い!」動画越しに感じた北原さんの魅力と、本気フェスへの挑戦

――北原さんと出会ったのはいつですか?

法人化した翌年、当時、妻がマーケティング関連の動画をよく見ていて、一緒にご飯を食べながら何気なく見ていたコラボセミナー動画に北原さんがゲストで出ていたんです。「この人、面白い」と感じて、そこから自分で調べるようになりました。 

――北原さんのどこが面白いと思ったんでしょう。

考え方です。自己啓発系セミナーなどいろいろ見てきたんですけど、コミュニティの主催者はカリスマ性がある人は多いけど、組織を作るという観点ではノウハウをきちんと言語化していない人が多かったんです。でも、北原さんは価値観や考え方を言語化するのが抜群に上手くて、惹かれました。

――UBM(※)に入ったのはいつですか?

2022年の9月です。当時は「北原孝彦の精神と時の部屋」というコミュニティ名でした。

ちょうど当時、北原さんが「本気フェス」(※)という取り組みをされていて、北原さん自身にとってもチャレンジングな挑戦だったんです。せっかく入るなら、その熱量のなかで一緒に走ってみたいと、こちらにも参加表明をしました。 

※UBM(ビジネス行動管理大学):北原孝彦が代表を務めるビジネス塾。2020年に「北原の精神と時の部屋」として設立、2024年11月に現名称に改称。

※本気フェス:北原孝彦が2023年に3日間開催したビジネスフェス。

僕は30人ほどのチームのサブリーダーのようなポジションで、Notionで議事録をまとめたりスケジュール管理をしたりしていました。これだけの規模の組織をまとめる側で動くのは初めてで、 とても新鮮でした。

――本気フェスで関わりができた北原孝彦アカデミー(※)(以下、アカデミー)メンバーはいますか?

関わりが濃いのは、UBM生でイベンターのきみきみさんですね。本気フェスでもスタッフとしてご一緒したので、だいぶ長い付き合いです。

きみきみさんは自身でイベントを主催していて、最初は数十人規模の小さなものからスタートしました。それを第2回、第3回と重ねるうちに、今では100人規模のイベントを開催できるまでになっています。

僕は最初はお客として参加していたんですが、途中からスタッフとして関わるようになりました。チケットサイトを作ったり、「どうしたらもっと盛り上がるか」といった壁打ちの相手をしたりと、裏側からイベントを支えています。

※北原孝彦アカデミー:UBM(ビジネス行動管理大学)の学びをベースにしながら、北原孝彦のより近くで学ぶ区画。北原氏が直接指導にあたる。メンバーは経営スキルだけでなく、人としての在り方を学ぶ。

恋愛コーチングからの方向転換。月報を通じて「自分と向き合う」時間を作る

――本気フェスのあと、北原さんとの関わりはどう変わっていったんですか? 

2023年の2月頃、弟子区画(※)に入りました。北原さんに事業の壁打ちをしてもらいたかったので、弟子になるとより会える機会が増えると思い、弟子になりました。

※弟子区画:「3年間は挑戦から逃げない」と北原孝彦と約束した人が参加する。毎月の月報提出に加え、弟子合宿では全員が活動報告を行う。現在は募集を終了している。

――その頃、どんな事業を進めていたのでしょうか。

恋愛コーチングです。

――えっ、意外です。IT事業ではないんですね。

はい、でも恋愛コーチングは、IT業界で働く男性たちに必ず必要だと思って始めました。というのも、エンジニアってコミュニケーションに苦手意識を持っている人が多いんですよ。もともと僕自身も苦手でして、話し方の学校に通いながら、「どうすれば相手に伝わるのか」「自分の言葉で表現するにはどうすればいいのか」を学んできました。

だからこそ、同じような苦手意識を持つ人に対して、何かできることがあるのではないかと思ったんです。その入り口として分かりやすかったのが、「彼女がほしい」という悩みです。恋愛は、コミュニケーションの課題が表れやすい領域でもあります。そこで、「恋愛コーチ」という形で発信を始めました。

僕としては「これはいける」と思って始めた事業なのですが……あるとき、北原さんから、グサッとくることを言われたんです。

――何を言われたんですか……!?

「君からは、恋愛アドバイスを受けたくないです」と言われて(苦笑)。僕の得意領域がITであるにも関わらず、恋愛事業を行うことの違和感を見抜いていたんでしょうね。

北原さんからの助言はありましたが、その後もしばらく恋愛コーチは続けていました。ただ、成果はなかなか出なくて……。そこで、ITの方向に切り替えたところ、事業が右肩上がりになっていきました。

――自分がやりたいことより、求められてできることにチェンジしたことでうまくいったんですね。

――北原さんに助言をもらうなかで、変わってきたことはありますか。

行動量が増えて、自分自身を見直しながら改善できるようになってきました。事業の方向性を修正してもらえるので、「どこがセンターピンなのか」という狙い方の精度が上がっている感覚があります。

――自分自身を見直すというのは、具体的にどんなことをしているんですか?

分かりやすいところで言うと、毎月北原さんに提出している月報です。月報を出していなかったら、月に1回立ち止まって振り返ることすらしなかったと思います。今は最低でも月に1回、自分の行動や事業の方向性を見直す時間を作るようになりました。最近は2週間に1回のペースで振り返るようにしていて、徐々にそのスパンを短くしているところです。

――人間的に成長したと感じる部分はありますか。

キャパや視点が広がったかなと思います。UBMには、自分が関わったことのない課題にぶつかっている人や、課題だと認識しないまま進めている人など、いろんな人がいます。そういう人たちと接するなかで、「自分の常識や価値観が絶対じゃないんだ」と気づくこともあります。固定観念が緩んでいき、行動の幅や量も増えていきました。とはいえ、すぐサボってしまうので、常に自分と戦ってはいるんですけどね。

ITの発展と人間性向上は比例しない。作り手の思想で世の中を変えていく

――高橋さんが感じる、北原さんの魅力はどんなところですか。

常にチャレンジングに動いているところです。すでに実績として結果を出しているのに、そこにとどまるのではなく、さらに上を目指して動き続けている。自分自身をより成長させていこうとしている姿勢がすごいなと思います。

――北原さんと関わるなかで、最初に求めていたものから、学びの内容が変わってきた感覚はありますか。

結果的に、そうなっていったところはあります。最初は、自分の売上をどう上げていくのかという、ビジネス的な成功を求める気持ちが強かったんです。でも、北原さんと関わるなかで、結果的に「人間性が大事」というところに行き着きました。

――最後に、高橋さんが今持っているスキルを使って、世の中をどう変えていきたいかを教えてください。

IT業界は好きですし、技術はどんどん進化しています。ただ、技術の発展と人間性の向上には大きな乖離があると感じています。YouTubeやNetflixのようなサービスはビジネスとしては成功していますが、依存を生んだり、人の時間を奪ったりと、必ずしも人に良い影響を与えているとは言えない側面もありますから。

結局、ITをどう使うかは作り手の思想次第なんです。人の悩みを解決したり、精神的な成長につながったりするサービスを考えられる人が増えないと、社会はより良い方向に進みにくい。だから、自分自身がそんなサービスを作ることはもちろん、同じ視点でサービスを考えられる人を増やすことにも、積極的に関わっていきたいと思っています。


取材を終えて

高橋さん(通称:ゆーちゃん)にお会いして最初に感じたのは、「論理的な人だな」ということ。 システムエンジニアという仕事柄なのか、事実を端的にまとめて伝えるのがとても上手で、話を聞いていてスッと頭に入ってくる感覚がありました。

だからこそ、恋愛コーチング事業をしていたことが意外でした。とはいえ、自分の強みが活きる場所を冷静に見極めてIT事業に絞った判断は、いかにも高橋さんらしいなとも思います。 

そして高橋さんは、一見クールな印象なのに、テキストのやり取りになると途端に面白くて温かいんです。そのギャップがたまらなく魅力的で、人間が根っから好きなんだということが伝わってきます。

(記事制作:ひとひら企画/インタビュアー:渡辺まりこ、人生の軌跡グラフ制作:Emodea・相場綾香)

※掲載情報は2026年4月現在のものです。最新情報は公式サイト等をご確認ください。