【ペットコミュニケーション|へんみなおこ】ペットロスからインド修行へ。1万人を救うペットコミュニケーターへの軌跡

ペットコミュニケーションスクール代表を務める、へんみなおこさん。「人もペットもニコニコ笑顔の毎日を」を理念に掲げ、誰でも身につけられるアニマルコミュニケーションの講座を主宰しています。

彼女がこの道を歩み始めた背景には、愛犬の死という辛い出来事がありました。その悲しみをきっかけにインドへ渡り、ペットコミュニケーションを習得。これまでに1万人以上の個人セッションを実施しました。以来、10年以上にわたって飼い主とペットの悩みに寄り添い続けています。

その歩みをさらに成長させたのが、北原孝彦氏との出会いです。目先のスキルや売り上げへの執着を手放し、周囲を頼りながら「全国の認定講師を導くリーダー」へと成長していくへんみさん。そんな彼女が今日に至るまでの道のりを聞きました。

犬や猫から爬虫類まで! ペットの気持ちが分かるコミュニケーション講座

――へんみさんが主宰している「ペットコミュニケーションスクール」について教えてください。

言葉を話せないペットと心で対話するペットコミュニケーションを、誰でも身につけられる講座です。

ペットコミュニケーションとは、ペットの気持ちや声を飼い主さんへお届けするもの。不思議な話に聞こえるかもしれませんが、ペットの存在そのものとつながり、伝わってくる感情や感覚、イメージを受け取って話をしています。

――どういった声が聞こえるのでしょうか。

最近お話ししたフェレットは「何かしてほしいことはある?」と尋ねたとき、ケージのなかで一生懸命背伸びをしているイメージが見えました。

そして、「ケージのうえのものを取りたいけれど、届かなくて困っているから取ってほしい」と伝えてきたんです。ケージのうえには、食べ物とお散歩バッグのようなものが見えたので、見えた映像と言葉をそのまま飼い主さんにお伝えしました。

――飼い主さんの反応はいかがでしたか?

飼い主さんは「まさにそうです!」と驚いていました。ケージのうえにあるおやつとお散歩バッグが大好きで、いつも背伸びで取ろうとするそうです。「やっぱり、あれを取りたかったんですね」と、飼い主さんはおっしゃっていました。

――それは驚きですね!どんな動物とも話せるのですか?

はい、基本的にどんな動物とでもお話しできます。犬や猫はもちろん、ウサギやフェレット、鳥や魚、さらにはカメなどの爬虫類まで、種類を問わずコミュニケーションを取れます。

使うのは「察する力」。誰でも身につくペットコミュニケーション

――特殊な能力がなくても、できるようになるのですか?

はい、練習すれば誰でもできます。簡単に言うと、察する力を使うんです。たとえば「あの人のことを考えていたら電話がかかってきた」「この道はなんとなく嫌な感じがするから別のルートに行こう」など、私たちは普段から直感で何かを感じ取っています。日常的な感覚を、意識してペットに向けたものがペットコミュニケーションです。

――直感力を使って、ペットと話すということでしょうか。

そうです。「見る・聞く・触る・嗅ぐ・味わう」という五感に「言葉」や「感情」を加えて、第六感を使うんです。生徒さんには「6つの感覚を研ぎ澄まして、伝わってくることを受け止めてみてください」とアドバイスしています。

――どのような方が講座を受けるのですか?

ペットに対して「もっと何かしてあげたい」「お話できたらいいのに」との思いから受講される方が多いですね。日常的な願いが、ペットの問題行動などをきっかけに「しっかり意思疎通を図って解決したい」という明確な目的に変わり、受講を決意される方もいらっしゃいます。

――受講後はどんな変化が見られるのでしょうか。

ペットの気持ちが徐々に分かるようになり、意思疎通や話し合いができるようになっていきます。

まずは2日間のベーシックコースで、なんとなく感覚が分かる状態を目指します。さらにしっかりと身につけたい方には、本格的なお勉強となる3カ月のアドバンスコースをご用意しています。カリキュラムに沿って実践的な練習を重ねていくことで、少しずつ会話ができるようになるんです。認定コミュニケーターによる90分の「お試し講座」も開催しています。

40歳で迎えた愛犬。突然の事故が、人生を変えるきっかけに

――へんみさんのこれまでについて教えてください。子どもの頃から動物が好きだったのですか?

はい、子どもの頃から動物は好きでした。父は鳥が大好きで、家にはジュウシマツが何十羽もいたんです。魚も好きで、大きな水槽で鯉も飼っていました。

私も父と同じで、インコや文鳥が好きで。しかし、鳥たちと少し距離が近すぎたのか、小学2年生のときに小児喘息になってしまったんです。最終的に鳥を手放すことになり、申し訳ない気持ちになりました。

その後、14歳のときに父が亡くなりました。母はあまり動物が好きでないこともあり、その後は大人になるまで動物と暮らすという発想がないままでしたね。

――それから、どんな経緯でまたペットと暮らすことになったのでしょうか。

40歳の頃に、近所でラブラドール・レトリバーの子犬が生まれたと聞き、見に行ったのがきっかけでした。

私には子どもが二人いるのですが、それまでは「犬を飼いたい」とせがまれても「二人の子育てが大変だから」と断っていたんです。しかし、実物を目の前にするとあまりに可愛くて、頭から離れなくなってしまい、女の子の子犬を迎え入れました。名前はルナといいます。

子犬を迎えるのが初めてだったこともあり、想定外の連続で。まるで人間の子育てをしているようでしたね。大変でしたが、子どもたちもルナにべったりで、とても可愛がっていました。

――新しい家族が増えたのですね。

はい。しかし、ルナが7歳になった頃、事故に遭ってしまったんです。出かけた先で、ほかのワンちゃんに後ろから乗られてしまって。それが原因で頸椎に衝撃が加わってしまったようで、自力で立てなくなってしまい……。事故から3週間ほどで、呼吸ができなくなって亡くなりました。毎日のように病院に通いましたが、機能が一つずつダメになっていくのを見るのがとても辛かったです。

――辛い経験でしたね……。

はい。ルナが亡くなる直前、姉の知り合いにアニマルコミュニケーションをしている人がいると聞いて、会いに行きました。しかし、当時の私はあまりスピリチュアルなことを信じていなくて。なんとなく受け入れられませんでした。

――そのとき、ルナちゃんは何と言っていたのですか?

事故の前にルナは子どもを産んでおり、知り合い曰く「ルナは、子どものお世話が大変で困っている」と。「自分の体調に関しては何も言っていない」と伝えられました。ルナは自力で動けないほど弱っていたため「どうして現実と違うことを?」と素直に受け入れられなかったんです。当時はアニマルコミュニケーションへの知識がなかったので、どう受け止めていいかも分かっていませんでした。

「もう一度、愛犬と話したい」インドでの修行と猛練習の日々

――その後、なぜペットコミュニケーションを信じるようになったのでしょうか。

ルナを見送った後、精神的なバランスを崩してペットロスになってしまいました。

そんなときに、姉がインドの聖者を訪れたんです。帰国後、姉が「動物の声が聞こえる」と言い出して。最初は「何それ、騙されているのでは?」と思いました。しかし、本当に動物の声が聞こえて、分かっている様子に見えたんです。

「それが本当なら、私もルナともう一度つながりたい、話せるようになりたい。それならインドへ行けばいいんだ!」と、そのままの勢いで現地へ飛びました。

――インドでは何をしていたのですか?

道場のような施設に滞在して「意識の覚醒コース」という3週間のカリキュラムを受けました。動物と話せるようになるトレーニングではなく、自分の意識を変えていくためのものです。

滞在中は、いろいろな体験をしました。エネルギーが一気に体に入ってきて、パタンと眠ってしまったり、さまざまなイメージを見たり、言葉が聞こえてきたりもしました。温かいものに包まれるような感覚もありましたね。

――不思議ですね。

はい。しかし、私はもともとスピリチュアルにまったく興味がなく、信じないタイプだったんです。そのため、不思議な体験をすればするほど、逆に気持ちが引いてしまうような感覚もありました(笑)。

――「動物とのお話」はできるようになりましたか?

それが、まったくできなかったんです。スピリチュアルな感覚は育った実感があったのですが、肝心の「動物と話すこと」に関しては、試しても全然できるようにならなくて。

――では、いつ頃から声が聞こえるようになりましたか?

帰国してからですね。インドで学んだ黙想や瞑想を実践したり、犬を飼っている友人に「練習させて!」と頼み込んだりして、猛練習したんです。当時はフルタイムで仕事をしていましたが、休日はすべてペットとのコミュニケーションに費やし、少しずつ動物たちと話せるようになりました。

10年以上の個人セッションを経て、60歳で講座立ち上げ

――その後、どんなきっかけでペットコミュニケーションを仕事にしようと思ったのですか?

練習を始めて半年ほど経った頃、知人がとあるブリーダーさんを紹介してくれたんです。練習のつもりでブリーダーさんを訪ねたのですが、ペットコミュニケーションを気に入っていただき、代金を支払ってくれたどころか、私のホームページを作ってくれて。「次はここでセッションをやってね」と、開催場所まで毎月用意してくれるようになりました。

――ホームページや会場まで……?!

そうなんです。当時の私は料金設定の方法などもまったく分からない状態でしたが、価格もブリーダーさんが決めてくれて。「ブログも始めたほうがいいですよ」など、アドバイスに従っているうちに、自然と開業することになっていました。

それから10年以上個人セッションを続け、ひっそりと活動していました。「自分一人が生活していければ十分かな」と、事業を大きくしようとは考えていなかったんです。とはいえ、ありがたいことに紹介でどんどんご縁がつながり、忙しくしていましたね。

―― 素敵なご縁ですね。

そうですね。その後は2022年から講座をスタートし、今年で4年になります。

お客様が個人セッションを2回、3回と継続して受けてくださると、ペットたちが私のところに来て「あのね、聞いて聞いて!」と、私の顔をペロペロしながらとても嬉しそうにするんです。それを見た多くのお客様から「私も動物と話せるようになりたいです」というお声を頻繁にいただくようになりました。しかし、私は独学で身につけたので、人に教えるイメージが湧かず、講座の開催はずっとお断りしていたんです。

—―その後「教えよう」と決めたのは、なぜでしょう?

私一人だけが話せるよりも、飼い主さんが話せたほうがペットたちは絶対に幸せだと思ったからです。60歳の節目を迎えたときに、ようやく「講座を作ろう」という思考に切り替わりました。

「これからの人生は、ペットと話せる飼い主さんを増やすことを目的にしよう」と決意して、カリキュラムを一から作り上げました。

「勝手な遠慮」に気づいて思わず笑顔に。師の一言で手放したマインドブロック

――ところで、北原さんのことはどのような経緯で知ったのでしょうか?

2025年5月頃、たまたまYouTubeで北原さんを知りました。当時、Instagramの運用方法がよく分からず、YouTubeで方法を調べていたんです。しかし、見ているうちに寝落ちしてしまって……。ふと目が覚めたら、画面の中で「髪の長い男性がキレ散らかしている動画」が流れていたんですよ(笑)。

少し驚いたのですが、そのまま見入ってしまいました。以降、チャンネルの動画を次々と見るようになりました。面白いだけではなく、言っていることが真っ当で、自分に刺さったんですよね。

――特に、どのような言葉が心に刺さったのですか?

動画のなかの相談者が「振り切れていない」「さっさとやれ」「ブレている」と厳しい言葉で指摘されているのを見て、自分のことだと痛感しました。

私には「ペットコミュニケーションが誰にとっても当たり前の世の中にしたい」という願いがあります。それなのに「今日はもう寝ちゃおう」「今日はここまででいいや」と、気分に流されてしまう自分がいて。

北原さんの言葉を聞いて「叶えたい目標に対して取り組む優先順位が低かったのだ」と気がつき、直接学びたいとUBM(※)に入会しました。

※UBM(ビジネス行動管理大学):北原孝彦が代表を務めるビジネス塾。2020年に「北原の精神と時の部屋」として設立、2024年11月に現名称に改称。

――UBMに入会して、どのような学びがありましたか?

UBM合宿で講師の今岡勇喜さんにいただいたアドバイスが転機になりましたね。当時、自分の講座で、ちょうど認定講師制度を設けたタイミングで。代表である私の講座価格を高く設定したところ、自分の売り上げが落ちてしまい、焦っていたんです。

それまでは「認定講師の邪魔にならないように、自分は身を引くべきだ」と考えていました。しかし、今岡さんから「無形商材のフランチャイズ展開と同じで、へんみさん自身が一番前に出て売って、他の講師たちにもお客様が流れるように引っ張っていかないと」と指導していただきました。 根本的なことが分かっていなかったのだと気づきましたね。

―― 大切な気づきがあったのですね。

はい。その後は北原さんから直接学びたい思いが強くなり、北原孝彦アカデミー(※)(以下、アカデミー)にも入会しています。UBMに入ったものの、遠くから北原さんを見ているだけで精いっぱいで。しかし、どうしても参加したい気持ちが勝って、2025年12月に思い切って飛び込みました。

ただ、「私のメンターは北原さんです」と公言することには遠慮があったんです。自分が誰かに頼られる分には「いつでもウェルカム!」なスタンスですが、いざ自分が人を信用したり、誰かに頼ったりするとなると、怖くなってしまって。

「迷惑だと思われる」「重すぎると思われて嫌われる」などのネガティブな感情が湧いてきて、悩んでしまいました。そこで、思い切って北原さんに相談したんです。

※北原孝彦アカデミー:UBM(ビジネス行動管理大学)の学びをベースにしながら、北原孝彦のより近くで学ぶ区画。北原氏が直接指導にあたる。メンバーは経営スキルだけでなく、人としての在り方を学ぶ。

――北原さんは何と?

「勝手に距離を取らないでください」と言われました。たしかにそうだな、と思って。相手がどう思っているかも分からないのに、勝手に緊張して、勝手に怖がって、自分から距離を取っていたことに気がつき、なんだか笑ってしまいましたね。

変な遠慮がなくなってからは、「私が今学んでいる北原さんのYouTubeを見てみて」と、周りに堂々と言えるようになりました。

※リトリート:仕事や日常から離れて、静かな場所で数日間過ごし、心身をリフレッシュさせる旅のこと。北原孝彦アカデミーでは、熱海・長野・仙台・大阪・福岡など年数回のリトリートを行っている。

全国の認定講師とともに目指す、動物たちへの恩返し

――認定講師の皆さんとは、どのように接していますか?

その後は、認定講師の皆さんにも「アカデミーでの学びをぜひ共有したい」と伝えて、勉強会をスタートしました。北原さんから学んだ本質的な考え方を共有し、同じ視点を持てるようにしていこうと思います。

実は、グリッドパートナーとしてUBMにも入会してくれた認定講師の方もいるんです。彼女自身も、ペットコミュニケーションのプロ育成をスタートしました。講師たちの活躍もあり、最近は私個人の講座販売額よりも、ロイヤリティの方が多い時もあります。

――素敵ですね。最後に、今後どのような未来を作っていきたいですか。

ペットコミュニケーションが誰にとっても当たり前の世の中にしたい。そのために、まず全国47都道府県のすべてに一人は認定講師がいる状態を目指します。そして、全国の仲間たちと共に「ペットと人が心を通わせることは、こんなにも明るくて幸せな未来につながるんだよ」と広く伝えていきたいです。

動物たちに助けられてここまで来れた人生なので、これからは事業を通して、たくさんの動物と飼い主さんたちに恩返しをしていけたら嬉しいです。


取材を終えて

ペットのエピソードを語るへんみさんは、まるで我が子の話をするみたいに表情がやわらかくて。動物が好きでたまらないんだな、ということが言葉の端々から伝わってきました。

やわらかい方だなと思う一方で、芯が強く柔軟な方だとも感じています。目先の売り上げへの執着や「勝手な遠慮」に気づいて手放し、「全国の認定講師を導くリーダー」へと歩みを進めていく。その素直な学びの姿勢があるからこそ、へんみさんの活動がどんどん広がっているのだと感じました。  

(記事制作:ひとひら企画/インタビュアー:渡辺まりこ、人生の軌跡グラフ制作:Emodea・相場綾香)

※掲載情報は2026年7月現在のものです。最新情報は公式サイト等をご確認ください